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統合プラットフォームを採用するべき5つの理由:②コラボレーション

2019-10-11 - < 1 min read
統合プラットフォームを採用するべき5つの理由:②コラボレーション

[ このシリーズの最初の投稿については、統合プラットフォームを採用するべき5つの理由:①相互運用性をご覧ください。]

確実かつ円滑に臨床試験を実施していくには、多くのプレーヤーの参加が必要です。しかし今、以前にも増して試験が大規模でより複雑になり、さらにグローバル全体に分散して実施されるようになるとコミュニケーションミスや、試験関係者間の連携に細やかな注意を払ったり時間をかける余裕は無くなります。

大局的にみると、典型的な第III相臨床試験では、以前に比べ実施施設は63%近く、エンドポイントは86%近くも増加しており、各所から収集されるデータポイントは88%も増加しています。(1)

患者、施設、IT部門、クリニカルオペレーションチーム、データマネージャーなどはこれまで以上に多くのことを求められています。これらのチームの成功や臨床試験全体にとって重要なのは、CROや中核となるラボ、システムインテグレーター、必要なサポートとインフラストラクチャを提供してくれるテクノロジーベンダーです。言うまでもなく、ステークホルダー同士の緊密な連携は、臨床試験プロセスの改善と効率性の向上、また複雑さを軽減するためには不可欠です。

コラボレーティブなアプローチに対するFDAのサポート
2019年3月14日の発表で、FDAは、臨床試験のステークホルダーと協働し、新しい技術やインフラ、プロセスなどを駆使して、コラボレーションやデータ共有のあり方の改善に取り組んでいることを報告しました。(2)

リアルワールドと臨床試験で得られるエビデンスを共有し、領域を横断した学習を進展させ、最終的にはより精緻な医療を実現するためには、リアルワールドデータと臨床試験データの間の障壁をなくす革新的なアプローチが必要です。そのようなアプローチに関して、FDAは以下のような臨床試験を推奨しています。

  • 電子カルテからのデータを取り入れ、電子的な同意取得を採用して、より多くの患者に自宅もしくは職場により近い臨床試験に登録してもらうこと。

    このアプローチは、臨床試験に参加するハードルを下げると同時に、試験に携わる人々が患者からの重要な質問に対応する力を向上できます。
  • リスクベースモニタリングを通じてより効果的なモニタリングを実施するためにコンピュータシステムを取り入れること。

    FDAの発表によると、試験進行中にデータ整合性を確認できる高度な分析やコンピュータ化されたアルゴリズムを使用することで、遠隔かつ一元化したリスクベースドモニタリングを実施できます。リスクベースモニタリングは、遠隔かつ中央モニタリングを可能にし、スポンサーは試験の質に影響を及ぼす可能性が最も高いリスクを特定し、そのリスクに注意を払うことにも役立ちます。

この高度なコラボレーティブリサーチや、モニタリング、分析は、テクノロジーインフラの中核と位置づけられる統合プラットフォームでこそ実現できるものです。統合プラットフォームは、人、システム、そしてデータを一つにして、適切な治療を適切な患者に、適切なタイミングで行うために参加者全員が協力する効率的な共同エコシステムを形成します。

コラボレーションの中核をなす技術
コラボレーションの最たる例は、Googleドライブの一部として提供されるアプリ群のサービスです。Googleは、シームレスで、役割に応じたアクセス権を提供し、世界中のどこからでもいつでもファイルを表示したり、ダウンロードしたり、共有できるようになっています。最新バージョンのファイルを認識しておくための適切な管理やまとめ作業などをチームメイトにお願いすることなく、ファイルの送信ができていることでしょう。

治験の世界においては、全体のプロセスに影響するかを把握するために試験実施中のデータの流れがどのようになっているかを可視化しつつ、施設訪問の記録や文書化など、治験の日々の業務を行うためのシームレスなコラボレーション機能を備えた状態をさします。

Applied Clinical TrialsおよびSCORR Marketingによって実施された2017年の調査では、臨床試験プロセスにおいて、テクノロジーがステークホルダー間のコラボレーションを促進するための重要な要素であることがわかりました。具体的には、回答者はビッグデータとクラウドテクノロジーを主な影響要因として挙げています。(3

調査によると、クラウドベースの臨床開発システムは、異なる複数のシステムを統合し、重複するプロセスを排除し、様々な部門やグループのチームが単一の完全なデータビューを作成できるようにするのに適している、とされています。この統合により、臨床試験プロセスにおけるすべての関係者間のコラボレーションが強化され、ひいては薬をより早く市場に投入することが可能になります。

さらに、クラウドベースのソフトウェアが持つデータの可視性は、意思決定をサポートし、より良い決定を実現します。優れたデータの可視性とコラボレーションは、将来に向けた改善を行なっていくために様々な臨床試験のコミュニティでその知見や教訓を共有することにも役立ちます。

全臨床試験のうち、約50%近くがメディデータの統合プラットフォーム上で行われており(4) 、Medidata Rave Clinical Cloudは、臨床試験におけるこれまでの業務の在り方を変え、患者、スポンサー、CRO、施設のコラボレーションを可能にする最先端のプラットフォームとなっています。当社のデータ駆動型プラットフォームでは、データを一度入力すればプラットフォームの至る所で利用できるため、他のチームメンバーがすでに上流工程で行った作業を繰り返す必要はありません。

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[1]Tufts Center for the Study of Drug Development、2018年7月/ 8月
[2]精緻化医療、患者保護、および、より効率的な製品開発を進めるための臨床試験を近代化するための新しい戦略に関するFDAコミッショナーのScott Gottlieb医師による声明。https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/statement-fda-commissioner-scott-gottlieb-md-new-strategies-modernize-clinical-trials-advance
[3] http://www.appliedclinicaltrialsonline.com/benefits-rd-collaboration
[4] clinicaltrials.govで入手可能なデータに基づくMedidataによる分析結果

この記事は2019年6月24日にGeeks Talk Clinicalでの英文投稿の抄訳となります。原文はこちらをご参照ください。

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