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Medidata NEXT 2018 Tokyo開催報告

臨床開発・研究向けITソリューションを提供するメディデータ・ソリューションズ株式会社(以下「メディデータ」)は2018年6月6日(水)「Where Science, Meets Technology, Meets The Future 〜メディデータがつなぐ〜」をテーマに、ウェスティンホテル東京におきましてMedidata NEXT Tokyo 2018を開催いたしました。当日は昨年を大きく上回る約400名のライフサイエンス業界関係者に来場いただきました。初めて参加される方が全体の約6割を占め、医薬品開発に一段と重要になってきているデータアナリティクスやテクノロジーのさらなる活用に対する期待の現われを示す結果となりました。

新薬開発の最終段階である治験。業務の複雑化が進むとともに、より的を絞った新薬開発が進む中、対象となる患者の人数が少なくなる傾向があり、第一相から承認に至る確率は10%を下回る現状があります。一方で、モバイルなどのテクノロジーの普及と進化するデータサイエンス手法によるデータの最大活用を通して、臨床開発をどのように発展させていくのか、変革させていくのかMedidata NEXT Tokyoでは当社のソリューションのみならず顧客企業の事例を通して、新しい臨床開発の形をご紹介しました。開会の挨拶では日本法人代表取締役の山本武より臨床開発のサイエンスとビジネスを支えるメディデータのテクノロジープラットフォームをご紹介しました。

Patient Voice

患者様を中心にした新薬開発が求められる中、患者さまの声にもっと耳を傾けようと、2013年に肺がんが発覚して治療を開始以来も現役でプレーを続け、2年前から治験参加しているフットサル選手の久光重貴さん(湘南ベルマーレフットサルチーム)に講演いただきました。

「治療を受けたくても受けられなかった人もいる。次の世代にもつなぐ何かができると思った。生きる中で、誰かのために何かができるなら積極的に取り組みたい」。久光さんは治験に参加しようと思ったきっかけをこう語る。

治験を通してコミュニケーションの大切さも感じた。がんはチーム医療である。その中央には確かに患者がいるが、久光さんは「本来、真ん中にあるべきは肺がんだと思う」と話す。がんがあって、医療従事者が囲んで、そこに患者も入れてほしいと感じている。コミュニケーションを取って一緒にがんに向き合っていく。一つの目標に向かって、みんなが同じ目線で取り組んでいくことが大事なのだと「患者中心の医療」への期待を語った。

その後、米国本社 社長兼創業者であるグレン・デフリースの基調講演では、昨今求められる、より精密な治療の開発で生じている新たな課題、「患者の希少化」「臨床試験の複雑化」「非常に多くのデータ」が存在する中で行う臨床開発をサポートするメディデータの最新ソリューションをご紹介しました。

臨床開発の「効率性」を向上するだけではなく「あり方を変える」ことをメディデータは支援します。医療画像データやゲノムデータ、あるいはモバイルテクノロジーを活用して患者から直接収集する新しいタイプのデータの取込み・管理を実現できるプラットフォーム、あるいは、ICH GCP E6から要件として盛り込まれたリスクベースドアプローチを実現できるソリューションなど、データマネージャー、患者、臨床開発、治験担当医師など臨床開発に携わるすべての人にとって価値を提供します。

次頁(裏面)でMedidata NEXT Tokyo 2018で発表された講演の中から、注目が集まる3つのテーマをご紹介します。

Virtual Trial(バーチャル臨床試験) 稲留 由美(ソリューションセールスディレクター)

バーチャル臨床試験とはモバイルテクノロジーを活用することで患者の来院回数を減らす、あるいは来院することなく参加できる臨床試験のことです。患者の希少化、試験の複雑化が進む中、参加している患者の脱落を減らしエンゲージメントを向上させることがますます

必要とされています。当初の予定通りに症例登録が進まない試験は80%に及ぶという報告や、脱落症例のうち35%の患者が「説明文書が難しかった」と回答した調査結果もあります。メディデータのEngageを使い、試験に関する情報提供、同意取得、症例登録からデータの収集までの臨床試験プロセスすべてを来院せずに実施した事例、ADAPTABLEについても紹介しました。

AIを活用した臨床試験  Ana Oromendia & Andrew Howland (データサイエンティスト)

過去13年間で14000以上の臨床試験がメディデータのテクノロジープラットフォームで実施され、400万人以上の患者データが蓄積されています。このデータを活用したソリューションを3つ紹介しました。Rave Omicsではゲノムデータと症例データを一つのプラットフォームに統合し、機械学習によってクラスタリングを行い、相互に類似性の高いグループに自動的に振り分けバイオマーカーの探索を支援します。Edge Trial Assuranceは元FDA統計審査官が機械学習アルゴリズムを用いたパターン分析を行うことで外れ値を検出し、承認申請前にデータ品質の向上をはかることで迅速な認可取得を実現します。

Synthetic Controlsは過去の試験データから合成的に対照群を作成することで、単群試験の結果に対する比較を提供し、より強力なデータの裏付けの下に次のフェーズに進めるか否かの決定をサポートします。

モバイルヘルスを用いた臨床開発・研究
宮路 天平 氏(東京大学大学院医学系研究科臨床試験データ管理学講座 特任助教)

臨床試験におけるスマートフォンやアプリ、ウェアラブル/センサーデバイス利用の実施可能性を探るための研究者主導臨床試験の結果と考察をお話しいただきました。ウェアラブルデバイスのアドヒアランス良好の割合が7割を超えており臨床試験における測定項目として利用できる可能性があるほか、ウェアラブルデバイスで測定した活動量は、患者本人がePROで入力した倦怠感スコアと一定の相関があることが確認されました。患者への利点のほか、臨床試験に多様な集団の参加を増やしたり、客観的なデータを収集したりできるなどの利点がある一方で、今回の試験から、データ標準化の必要性やモバイルヘルステクノロジーに対する理解を進める必要があるなどの課題も浮き彫りになりました。

数多くの事例をKyowa Kirin Pharmaceutical Development, Inc.、ナノキャリア(株)、参天製薬(株)、
ノーベルファーマ(株)、シミック(株)、国立がん研究センター中央病院、などのお客様からご紹介いただき、活発な意見交換や意識の共有を図りました。またEDC(電子データ収集・管理システム)のPMS(製造販売後調査)での利用を検討するパネルセッションでは大塚製薬(株)、武田PRA開発センター(株)、日本イーライリリー(株)、ノバルティス ファーマ(株)、ファイザー(株)などからの登壇者による議論が展開されました。詳細は特設ウェブサイトをご覧ください。

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