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2018年に実施されたMedidata Rave eCOAの活用事例

2019-04-21 - < 1 min read
2018年に実施されたMedidata Rave eCOAの活用事例

臨床研究・開発はますます複雑になってきており、研究者は増大する試験の負荷や費用への対応策を先進技術に求めています。今回はその複雑な課題に対して、Rave EDC、Rave eCOA、Rave Omicsなどを搭載するメディデータプラットフォームを活用した最近の事例を、昨年12月開催の第60回アメリカ血液学会年会(ASH)で発表された2つの研究も含めて、ご紹介します。

昨今発表されるトピックは大きく3つのカテゴリーに分類できます。それはプレシジョンメディスン、患者アウトカム(以下、PRO)、そして臨床試験/疫学研究についての幅広いトピックです。今回はPROにおける最近の研究のハイライトを見てみようと思います。テクノロジーの進化によって、研究者はPROデータを収集しやすくなってきており、それにより、これまで得られなかったインサイトを見出すことができるようになってきました。2018年にメディデータのePROを活用した研究例を紹介します。

がん患者からの有害事象データ

National Cancer Institute(NCI)は、患者から有害事象の兆候を収集するためのソフトウェアを開発しました。NCIはがんの臨床試験で有害事象の報告に用いられる有害事象共通用語基準のPRO版であるPRO-CTCAEの項目使って、Webや自動電話応答などで患者調査を行い、臨床医や研究員が調査実施やRaveで入力されたデータの管理するのをサポートしています。

NCIはJMIR Human Factorsに掲載された研究で、このソフトウェアの使いやすさを評価しており、研究で実施された修正によってシステムの改善を図りました。Medidata Rave eCOAに実装されたモバイルアプリ版のPRO-CTCAEデータの機能に関する仕様もその中で紹介されました。PRO-CTCAEソフトウェアは、NCIが行った多施設でのがん臨床試験のうち少なくとも5試験ですでに実装されており、今後さらに多くの試験で利用される予定です。

がん治療において毒性と治療が患者に与える影響を理解することは極めて重要であり、患者の日々の報告を容易にし、かつ研究者がこのデータをモニタリング・分析できるようにするツールは、間違いなく、今後受けられる治療方法を改善していくでしょう。

ウェアラブル技術で化学療法中の患者の健康状態を評価

ASHで発表された研究で、研究者らは、多発性骨髄腫(NDMM)と最近診断され、治療を受けている患者の睡眠および覚醒状態のパターンモバイルウェアラブル技術で確立できるかどうか、そしてこれらのパターンは経時的に変化するかどうかと設問しました。

NDMM患者にGarmin VivofitデバイスとRave eCOAアプリがインストールされた自身の携帯電話およびタブレットを渡し、研究者らはベースライン期間(化学療法開始の1〜7日前)および最大6サイクルの化学療法の間、身体活動および睡眠について患者のバイオモニターを実施しました。Medidata Rave Wearable Sensorsテクノロジーは、活動量、睡眠、ePRO質問項目での回答などのデータを自動的にRaveに同期することができます。

65歳以上と65歳未満の患者の治療前と治療後の平均活動量を比較したところ、65歳以上で8.6%、65歳未満で52%と、それぞれ増加しました。治療開始の短期的な効果は、ベースラインからサイクル1までの活動の変化率(24時間での歩数)の比較によって評価されましたが、3人の被験者で100%以上、1人で50〜100%、11人で50%前後の増加が見られました。著者は、症状のあるNDMM患者を対象とするこのようなモニタリングは、化学療法中の総合的な健康状態を評価するための有用なツールとなり得ると結論付けました。

患者が治療経験についてより深い洞察を得るための手段として活用されるウェアラブルデバイスやセンサーは、この業界に携わっている方にとっては重要な分野だと思います。今回ご紹介した研究結果は、まさにこれらの技術がもたらす特徴的な視点を示したものになっています。

(本投稿は2019年2月13日に公開された、Geeks Talk Clinicalでの英文ブログの抄訳となります。)

 

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