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こうして生まれた!国内臨床試験の「フラストレーション」を解消するtsClinical Solution(後編)

2021-07-27 - < 1 min read
こうして生まれた!国内臨床試験の「フラストレーション」を解消するtsClinical Solution(後編)

前編はこちら

EDCー電子カルテ連携を実現するeSource liaison

:続いては、eSource liaisonについて、宮崎様にお伺いしたいと思います。eSource liaisonは電子カルテのデータ変換ソリューションですが、こちらは業界での期待が非常に高かった製品ではないでしょうか。まずは開発経緯について教えてください。

富士通 宮崎様(以下、「宮崎」):富士通では電子カルテと連携して治験実施施設の業務を支援するシステムの開発・導入も行っております。そのシステム導入や保守の際に現場の方と接する中で、電子カルテの普及により診療記録が電子化されているにも関わらず症例データ報告業務は手作業で実施されていることを目の当たりにし、データ連携が実現できれば業務改善できるのではないかと思うようになりました。きっかけは実施施設の業務改善のためでしたが、これが実現できれば製薬会社にとっても大きなメリットがあると思い、「tsClinical eSource liaison(以下eSource liaison)」の製品開発に至りました。

:電子カルテによって通常業務が効率化された一方で、治験対応においてはEDCとの連携などにおいて課題を抱えている施設が多いですよね。富士通様がそこに注目され、いち早く製品化を実現いただいたことは私たちにとっても非常にありがたいことでした。

宮崎:Rave EDCは日本国内でも多数の試験での採用されており、豊富な実績をお持ちなので 、富士通のeSource liaisonの普及を加速させることで、製薬会社のご要望を満たすのみならず、日本の臨床試験現場全体の変革を進めるには、Rave EDCとの連携が最適と考えました。

:弊社にも電子カルテ連携についてはよくお問い合わせをいただく内容なので私たちからもこういった製品があることを紹介できるのは提案の幅が広がります。 eSource liaisonの富士通様ならではの機能や特徴を教えてください。

宮崎:本製品のポイントは、電子カルテ内に格納されているデータを連携する仕組みのため、医師の運用変更が発生しない点です。他社のeSourceシステムは、治験データをeSourceシステムへ入力する、DDC(Direct Data Capture)方式が一般的です。しかし、この方式では医師が電子カルテとの入力を使い分ける必要があるうえ、通常診療の記録と治験の記録が一元的に確認できないといった利便性の課題があり、医療機関の負担を増大させる原因となっています。

また、eSource liaisonは、医師の通常診療に配慮し、医療機関の業務運用を極力変更させないことで普及を加速させる、国内の治験事情にフィットしています。弊社は電子カルテシェアNo.1であることから、より多くの実施施設との連携を実現できることは特徴であり、大きなメリットであると考えています。また、実施施設と製薬会社それぞれに向けたソリューションをトータルでご提案できることも富士通ならではの強みであると考えています。

施設・製薬会社とのPoC、フィードバックを生かし開発

:やはり施設の負荷を軽減できるというのは大きなポイントですね。実際にこの製品のフィードバックや開発にあたって参考にされた施設のご意見などはありますか?

宮崎:製品化の前には治験実施施設および製薬会社と共同でPoCを実施し、実際にこの仕組みを利用する双方のご担当者のご意見を取り入れながら開発しました。製品化にあたっても運用設計や操作性等はその際のご意見を反映させています。

:開発段階から実際にそれを使うユーザーの意見を取り入れることは、製品の完成度にも大きく影響するので非常に重要ですよね。同じITベンダーとしてとても共感できます。 開発時に気をつけたポイントがありましたら教えて下さい。

宮崎:多くの製薬会社、多くの治験で幅広く汎用的にご利用いただくことを重視して、インタフェースはCDISC標準のODMを採用しました。また、電子カルテのマスタ等は実施施設毎に異なりますので、そこも意識した開発を実施しております。具体的には実施施設毎にマッピング情報のファイルを作成して簡単に読み込めるような機能を実装しております。

:ここでもやはり、どの施設でも使いやすい汎用性は維持しながらも柔軟性を持っているというのが特徴になっているのですね。 逆に開発で難しかった点はありますでしょうか?

宮崎:製薬会社と実施施設の両者に関連するソリューションになりますので、ご提案や調整の進め方やサービス提供方法等の検討に時間がかかりました。ただ、富士通ではライフサイエンス分野、ヘルスケア分野の双方にソリューションをご提供してきた実績があるからこそ、サービス化が実現できたと考えています。

:時間をかけたからこそ、間違いなく両者のPain Pointを解消できるソリューションとなっていますよね。 実際にリリースされたあとのお客様のご反応はいかがでしたか?

宮崎:いずれの製品もセミナー等で情報発信していたこともあり、製品リリース前からお客様のご期待を集めていましたが、リリース直後から問合せや説明のご依頼も多く、関心の高さを実感するとともに、お客様には我々のコンセプトに共感して頂いています。

:では最後に、両製品についての今後の目標や計画などを教えてください。

海老、宮崎:まずはご採用いただいたお客様に確実に価値を届ける事です。お客様の体制・プロセスにフィットさせ、業務が適切に回る仕組みをお客様と一緒に作っていきたいと思います。また、今後も継続的・タイムリーにエンハンスを行い、お客様への提供価値を増やし、ご採用いただけるお客様・試験を増やしていけたらと思います。また、今後のステップとして、eSource liaisonとSDTM Automationとの連携を強化し、CDISCトータルソリューションとして提供していきたいと考えています。

富士通は、この2つの製品を幅広く展開することで医薬品の研究開発への貢献し、SDGsの目標で掲げる、すべての人々の健康的な生活と福祉の実現に寄与していきます。

:ぜひ多くのお客様にお使いいただきたいですね。海老様、宮崎様、ありがとうございました。

 

 

本ブログでご紹介した製品の詳細については下記をご覧ください。

tsClinical for SDTM Automation

tsClinical eSource liaison

 

<お問合せ先>

富士通株式会社 富士通コンタクトライン
電話:0120-933-200
Web:https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/life-sciences/contact/

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