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臨床試験におけるMayoスコアと電子臨床アウトカム評価を用いた潰瘍性大腸炎治療の改善

2022-03-11 - 2 min read
臨床試験におけるMayoスコアと電子臨床アウトカム評価を用いた潰瘍性大腸炎治療の改善

Mayoスコアは、潰瘍性大腸炎(UC)の重症度を測定するための臨床試験において、長年にわたり確立された評価ツールです。近年の大規模臨床試験にて最も採用されているものです。潰瘍性大腸炎は、現在、治療法が確立されておらず、患者さんは、腹痛、下痢、体重減少、倦怠感など、様々な症状を伴う慢性疾患の管理に直面しています。

Mayoスコアの算出には、4つの要素が含まれます。治験参加者が日記で記録する2つの患者報告アウトカムがあります。 1) 寛解期における標準的な便の回数(排便回数)、2) 直腸出血の回数です(血便)。その他の2つの構成要素は 3) 粘膜の内視鏡検査の結果(粘膜所見)、4) 最初の3項目と患者さんの状態や一般的な機能能力を加味した医師の評価(医師による全般評価)です。 

米国では、潰瘍性大腸炎治療薬の治験依頼者に対し、試験中の治療が患者さんにとって有益かどうか、またどの程度有益かを記録するために、Mayoスコアなどの評価ツールを使用し、電子的に管理することを推奨しています。

潰瘍性大腸炎治療薬の多くの臨床試験では、12点満点で2点改善するなどのMayoスコアの有意な変化が主要評価項目となっています。臨床試験中、研究者はMayo Scoreを使用して、効果が見られない患者さんや重篤な副作用が見られる患者さんに対して、試験プロトコルの指定に従って、被験者の薬の投与量の変更や別の治療群への切り替えを行うこともできます。さらに、4つの要素すべてを必要としない治験実施計画書もあるため、Mayoスコアのうち2つないしは3つの要素のみを使用する研究もあります。

潰瘍性大腸炎の臨床試験を行う際には、以下のような重要な要素を考慮することが重要です。

  1. eCOA(電子臨床結果評価)ソリューションは、EDC(電子データ収集)システムと統合されているか
  2. 患者、クリニック、ラボのデータはすべて1箇所に集約されているか
  3. eCOAダイアリーは、患者さんにとってどれだけ直感的に使えるものになっているか
  4. 患者(および介護者)が報告するアウトカムを、より広範な分散型臨床試験(DCT)戦略に組み込むための長期計画があるか

メディデータのeCOAツールは、治験施設・患者・ラボのデータ収集と臨床試験データ管理を行う業界最先端の堅牢かつ安全なEDCシステムであるMedidata Rave EDC®と一体化した、唯一のeCOAソリューションです。Medidata eCOAによって、重複したデータ入力やデータ移行、整合化作業はもはや必要なくなり、高品質の臨床試験データの収集とリアルタイムでの一貫性を実現することができます。

ハイブリッド型臨床試験であれ完全な分散型臨床試験であれ、臨床試験期間を通じて患者のエンゲージメントを高め、維持することは長期的な成功に不可欠です。そのため、メディデータは治験参加者がアウトカム評価を入力する電子日誌を使いやすいものにし、治験担当医師のレビュー用に Rave EDC に直接送信できるようにしています。単一のターンキーエクスペリエンスを提供する DCT ベンダーを選択することは非常に重要です。Medidata Patient Cloud®は業界で唯一、試験の始まりから終わりまでのPatient Journeyをサポートするエンドツーエンドの体験を提供し、患者と施設スタッフの両方の負担を軽減することで、治験をより迅速に進め、成功に導きます。

Mayoスコアは、潰瘍性大腸炎の評価において重要な指標であり、最終的には新しい治療法の可能性を示す指標となります。一見すると、たった4つの要素で構成される評価は比較的簡単なように見えますが、これらの要素は患者、臨床医、ラボという異なるソースから得られたものであることを十分に理解しておくことが重要です。臨床試験でMayoスコアソリューションを成功させるためには、これらのデータポイントをタイムリーかつ正確にまとめることが不可欠です。そしてもちろん、治験期間中、患者が日々のデータを入力するためのシンプルで使いやすい電子日誌を使うことが、彼らの負担を軽減し、最終的にはすべての関係者にとってより良い治験となることでしょう。

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