臨床試験の現場の声から未来を創る:Site Insights ラウンドテーブル開催レポート
2025年11月22日、メディデータは「Site Insights ラウンドテーブル」を開催いたしました。
このラウンドテーブルは、臨床試験における「現場(施設)と患者の負担軽減」を実現するために、日々の業務における課題から未来のテクノロジーへの期待まで意見交換を行い、理想の臨床試験の実現に向けて共に考えることを目的としています。
イベント当日は、臨床試験の最前線で活動する全国の医療機関11施設および治験施設支援機関(SMO)2社から、計22名の皆さまにご参加いただきました。
1. 現場の「声」から見えた、日々の業務における課題
ラウンドテーブルの前半では、参加者の皆様が日々直面している具体的な業務課題について、率直な意見が交わされました。特に、EDCやePROといったデジタルツールの利用において、業務効率を阻害する具体的な問題点が浮き彫りになりました。
- 試験ごとに異なる多様なシステムと、統一性のない入力項目への対応:
EDCとIRT/IWRSなど複数のシステムを試験ごとに使い分ける労力や、試験や依頼者ごとにフォームが異なり負担が増大していることから「業界全体での標準化」を求める意見がありました。
- 複数試験を横断したタスク管理の困難さ:
50以上の試験を兼務するCRCからは、「スタディを跨いでクエリを見る方法を導入してほしい」という声が上がりました。試験ごとにログインし直さなければいけないという現状があります。
- CRCとモニター間の表示画面の相違:
CRCと臨床開発モニターでEDCの画面表示が異なる場合があり、認識の齟齬を埋めるためにスクリーンショットを送付し合うなど、非効率なコミュニケーションが発生している実態が共有されました。
- 高齢患者へのサポート負担:
高齢の患者さんがePROを操作する際、CRCが隣で「指で示してタップさせる」といった手厚いサポートが不可欠になっています。文字サイズの変更や操作性の改善がなければ、現場の負担が増大し、一部の患者さんが治験から取り残されかねないという懸念が示されました。
- 業務全体のボトルネック化:
患者さんの来院後すぐにePROへの回答が必要な場面でシステムの遅延などが生じると、後続の採血や診察といった全てのスケジュールが停滞し、「ePROが業務のボトルネックになってしまう」という課題が指摘されました。患者さんを待たせてしまうことがストレスであるという、現場の声が聞かれました。

2. あるべき治験像に向けたテクノロジーへの期待や懸念
ラウンドテーブルの後半では将来のテクノロジー活用からそれに伴う懸念まで、さまざまなご意見が寄せられました。
- テクノロジーへの期待:
将来の業務効率化に向け、特に期待が寄せられたのが、電子カルテ(EHR)のデータをEDCへ自動連携させる「EHR/eSource連携」です。これにより、手動でのデータ転記や照合作業を抜本的に削減したいという声が多数聞かれました。
- AIの活用:
プロトコルや各種マニュアルを学習させたAIチャットボットを導入し、CRCが抱える疑問にAIが即時回答することで、モニターへの問い合わせを待つ時間をなくし、自己解決を促進するアイディアも出されました。
- さらなる現場負担が増えることへの懸念:
一方で、テクノロジー導入には慎重な意見もありました。ウェアラブルデバイス等の活用でデータ収集量が増えても、「アラートの数が増えるだけで、CRCの確認業務は減らないのではないか」という現実的な懸念も共有され、技術革新が現場の負担増につながらないよう、慎重な実装が求められることが示唆されました。

3. 皆さまの声を受けて メディデータのコミットメント
今回のラウンドテーブルでいただいた貴重なフィードバックに対し、Medidata Japan Sales VPの西 基秀は次のように述べています。
「日本の治験をさらに前へ進めていくためには、現場で患者さんと向き合う医療機関の声を丁寧に聞き、そこから改善を積み上げていくことが不可欠です。今回のラウンドテーブルでは、多くの率直なご意見を直接伺うことができ、私たちが取り組むべき優先領域がより明確になりました。メディデータは、AIやeSourceなどの最新技術を活用しながら、現場の皆さまの負担を減らし、患者さんにより良い治験体験を提供できる環境づくりにこれまで以上にコミットしてまいります。」
メディデータは、今後も医療機関やSMOの皆さまとの継続的な対話の場を設け、現場の実情に寄り添ったプラットフォーム開発を推進してまいります。治験現場の負担軽減とデータ品質の向上に真摯に取り組むことで、患者中心そして施設中心の臨床試験の実現を力強く支えていきます。
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