研究の重要性:研究は人生そのもの
By Tina Mincher
「研究とは、単に新たな治療法を発見することにとどまりません。人の人生を変えることです。」
人生を永遠に変えてしまうような出来事があります。私の出来事は、キャリアへの野心からではなく、娘が病気になったことから始まりました。
娘が筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)を発症したとき、私たちの世界は一夜にして一変しました。娘の主体性、教育、友人関係、そして自信が奪われていく様子を私は見ているしかありませんでした。彼女の世界は徐々に小さくなり、ほとんどの場合自分の寝室の四方の壁の中に閉じ込められることとなりました。
母親として、どうにかして治してあげたい、答えを見つけたいと切望しました。しかし現実に私が学んだのは、どんなに小さな一歩でも称えることでした。ただ一日を無事に過ごすこと自体が大きな目標だったからです。かつてしっかりと自立していた我が子が、髪を洗うこと、服を着ること、さらにはケトルを持ち上げるといった当たり前のことさえも、突如として人の手を借りなければならなくなったのです。
月日が流れるにつれ、この病気と共に生きる苦しみは、私たちのような家族が直面する試練のほんの一部に過ぎないことが分かってきました。病状が正しく理解されていないと、家族は病気そのものだけでなく、周囲の「不信の目」とも闘わなければならないのです。
長年にわたり、ME/CFSの患者コミュニティは深刻な困難に晒されてきました。「慢性疲労症候群」という病名は、全身の複数系統に及ぶ複雑な疾患を単なる「疲労」として捉えられがちで、誤解を広めこの病、がどれほど重篤であるかという認識を妨げる一因となってきました。ME/CFSの患者は、症状が精神的なものだと言われたり、単に運動量を増やしたり無理をして乗り越えればいいと告げられたりすることがあまりにも多すぎました。こうした対応は、患者に深刻かつ時には不可逆的なダメージを与えてきたのです。
「現実でみればQoLへの影響は甚大です。研究によると、ME/CFS患者が直面するQoLの低下は、あらゆる慢性疾患の中でも最悪の部類に属することが示されています。」
そして悲しいことに、その苦痛は今も続いています。大切な我が子が重い病にかかることだけでも身が引き裂かれる思いです。それに加えて、病気そのものを疑われたり否定されたりすることは、家族にとってさらなる深い傷となります。場合によっては、病状が信じてもらえないために児童保護当局が介入してくるといった事態に直面した家族さえいます。どのような家族であれ、そのような理不尽な試練に耐えなければならない理由などありません。親たちは孤立し、無力感に苛まれながら、我が子の苦しみを理解してもらうためだけに闘い続けることを余儀なくされているのです。
私自身も、既存のNICEガイドライン(英国国立医療技術評価機構の指標)の枠組みに縛られた医療従事者によって、ガイドライン外の治療可能性が十分に模索されないという強いもどかしさを経験しました。臨床研究の領域で働いているからこそ、そのもどかしさは一しおでした。患者を中央に据え、その経験に耳を傾け、疑問を歓迎し、答えを求める声を跳ね返すのではなく共に解決を目指すコラボレーションへが実現すれば、研究がどれほど大きな力を発揮できるかを知っているからです。
ですが最近は変化の兆しが見え始めています。
コロナ後遺症の拡大を契機にME/CFSへの注目が改めて高まり、世界中の研究者が新たな生物学的アプローチによる病態解明を進めています。研究のプロセスにおいても、患者やご家族の声を不可欠な要素として尊重する機運が高まっています。
我が家にとっても、「話を聞いてもらい、理解される」ことは決定的な救いとなりました。娘の通う学校は、教育の成果が出席日数や試験の成績だけで測れるものではないと理解してくれました。時には、ひとりの若者が安心感を得て支えられていると感じられるように導くこと自体が、最大の成果となり得るのです。
また、ME/CFSを抱える子どもたちとその家族に献身的に寄り添い続けてくださるNigel Speight(ナイジェル・スパイト)医師からの助言は、最も絶望的な時期において、私たちの大きな支えとなりました。
「私にとって、研究はもはや単なる『仕事の対象』ではありません。自分自身の『実感』そのものなのです。」
家庭での私は、病院の予約を調整し、娘の代弁者となり、わずかな体調の回復を一緒に喜ぶ一人の「お母さん」です。そして職場のMedidataでは、テクノロジーと関係者の連携によって、臨床研究がいかにスマートで迅速、かつ患者中心のものへと進化できるかを目の当たりにしています。
この2つの世界は私の中で切り離すことができません。臨床研究におけるイノベーションを目にするたび、私は「より早く答えに辿り着ける可能性」「より優れた治療法」「不安の中で待ち続ける家族が減る未来」を感じ取ります。そして何より、そこに「希望」を見ています。
「すべてのデータの背景には、血の通った一人の人間がいます。すべての臨床試験の背景には、科学を信じて託す家族がいます。そしてすべての発見の背景には、誰かの未来を変える力が秘められているのです。」
私はMedidataで働いていることを心から誇りに思っています。しかし私にとって、この仕事は単なるキャリアではありません。私自身の人生そのものなのです。
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