【イベントレポート】CRCあり方会に出展、DCT利用状況に関する調査を実施

毎年恒例となった CRCと臨床試験のあり方を考える会議への出展ですが、今年はイーピーエス株式会社、一般社団法人ピーペック、メディデータの3社合同によるランチョンセッション 「現場と共に創る患者中心の臨床試験の未来:DCTは、患者さんの“選択肢”を広げられるか?」 を実施しました。あわせて展示ブースでは、患者体験(Patient Experience)向上を実現する業界初の患者ポータル『myMedidata』を核に、eConsent、ePRO、Sensors、myMedidata LIVE(オンライン診療)などのソリューションをご紹介し、デモンストレーションを行いました。また、アンケート調査を実施し、多くの医療現場の皆様の声を直接伺うことができました。
本レポートでは、主にアンケート調査の結果から見えてきた最新トレンドをご紹介します。
アンケート調査結果(回答者:206名)
まずはじめに、206名もの方々にアンケートにご回答いただきましたこと、心より感謝申し上げます。今回は、下記の点についてアンケートを実施しましたので一部抜粋してご紹介します。
- DCTの実施状況
- 治験におけるオンライン診療
- 治験におけるデバイス利用
- ウェアラブルデバイスについて
DCTの実施状況
- ePRO、リモートSDV、eConsentといった比較的普及している手法は高い実施率を維持。
- 一方、オンライン診療やホームナーシングなど新しい手法はまだ少数派。
- DCT全体への姿勢は「非常に前向き」23.8%、「前向き」47.1%と約7割以上が前向き。
➡ 既存手法は定着しつつあり、あらたな手法も前向きな関心が広がっていることが示唆されました。
治験におけるオンライン診療
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「経験あり」は14.1%にとどまるが、一定数の施設では導入が進行中。
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オンライン診療の影響は「業務が複雑になる」39.3%が最多、「業務負担軽減」26.7%、「患者対応の不安」16.5%。
➡ 期待と懸念が混在しており、ワークフローの標準化や研修・サポート体制が普及の鍵。
デバイス利用状況
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スマホやタブレットを「常時・頻繁に利用」75.2%、「たまに利用」17%で、9割以上が活用。
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患者利用での課題は「操作の難しさ」(76.2%)、「通信環境」(70.9%)が突出。
➡ 医療機関側では利用が浸透してきた一方、操作・通信環境・セキュリティ面での課題が集中していることが判明。
ウェアラブルデバイスの有効性
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「非常に有効」37.3%、「ある程度有効」53.9%で、9割以上が有効性を認識。
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期待される効果は「患者の日常生活データ把握」(62.7%)、「CRC/医師の業務負担軽減」(55.9%)が最多。
➡ 現場はウェアラブルデバイスを臨床試験の質・効率・患者体験改善につながると高く評価。
まとめ
今回のアンケート調査から、テクノロジー導入への期待は依然として高いものの、導入・運用時のサポート体制が十分とはいえない現状が浮き彫りになりました。オンライン診療やウェアラブルデバイスなど新たな仕組みは業務負担軽減や患者エンゲージメント向上に資する一方で、現場では操作性が不安・通信環境が不安定など具体的な障壁を感じています。医療機関が安心して新しい仕組みを活用できるよう、研修やガイドライン、相談窓口の整備、患者向け資料提供など、多面的な支援が今後の普及・定着の鍵となるでしょう。
DCTは誰のためのものか――それは、患者さんのためです。私たちは、その実現に向けてあらゆるステークホルダーが協力し、できることから着実に進めています。患者さんと直接接点を持つ機会が限られるITベンダーとしても、患者中心の視点に加え、医療機関の声を丁寧に反映した製品開発を進めています。こうした取り組みを通じて、DCTが治験における標準的な選択肢となり、患者さんが自ら選べる世界を一日も早く実現したいと考えています。
(過去のCRCあり方会のレポートはこちら:2023年、2024年)
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