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暗闇の中で光を見いだす:COVIDの危機からの教訓

2021-12-21 - 3 min read
暗闇の中で光を見いだす:COVIDの危機からの教訓

このブログはMedidataのGlobal Compliance and Strategy PrincipalであるFiona Mainiが執筆しました。

この1年半、私たちはみな誰もがCOVIDの影響を多少なりとも受けながら、これまでに経験したことのないような日々を過ごしてきました。ワクチンの普及により、ウイルスを取り巻く状況は楽観視できるようになりましたが、パンデミックの影響はまだ十分に測定されておらず、多くの国で社会的・経済的な長期的影響を予測したレポートもあります。この約1年半の間、悲劇的な人命の損失や生活の質への影響があった一方で、パンデミックから生まれるポジティブな要素もありました。 

COVID-19 変革のための触媒  

COVID-19によるパンデミックの期間を振り返ってみると、あらゆる業界、さらには社会全体で、逆境を乗り越えていく強さを目の当たりにしました。さらに、COVID-19は重大な人道的危機であったにもかかわらず、イノベーションと現行技術の普及の触媒となりました。特に私たちの業界は反応が早く、制限や社会的距離を置く措置にもかかわらず、既存の試験を継続し、新しい試験を開始できるよう、リモート戦略を用いた新しいモデルに適応しています。この迅速な対応と刻々と変化する状況に適応する意欲がなければ、私たちが頼りにしているワクチンのような新しい治療法は、今も開発中であったかもしれません。

業界をあげての取り組み

臨床試験業界がどのように対応したかをキーワードで表すと、「コラボレーション」「コミュニティ」「レジリエンス」「イノベーション」です。臨床試験業界で働く人々にとって、新しいワクチン、治療薬、診断薬の開発という重要な役割は、最も重要かつ緊急なものであり、この危機を解決するために、規制当局、アカデミア、競合他社の間で前例のない協力体制が築かれました。このようなパートナーシップは、将来の医薬品や製品の開発方法に革命をもたらしています。今回のパンデミックの経験から、人々の健康に対するコミットメントが全体的に高まることを期待しています。

コミュニティという観点からは、世界中の最前線で働く人々やボランティアがパンデミックという難題に立ち向かっているのを目の当たりにしました。これらの人々は、自らを明らかに危険な状態にさらしてきました。一方、レジリエンスは、個人、コミュニティ、組織、そして国がパンデミックのストレスや痛みに対処することを可能にしました。

イノベーションに目を向けると、重大な課題に直面したときの人間の創意工夫は際限がなく、COVID危機も例外ではありません。私たちは、人々が新しい方法を見つけ、新しい技術を活用することで、ロックダウンやソーシャルディスタンスの制約にもかかわらず、作業を継続し、新しい治療法を開発するのを目の当たりにしてきました。

分散型臨床試験(DCT):COVID後の新常識

規制当局もパンデミックに迅速に対応し、多くの柔軟性を導入し、分散型臨床試験(DCT)などのリモート戦略を導入しました。パンデミックは、次世代技術による臨床試験の緊急の必要性を明らかにしましたが、これらは今後数年にわたり進化し続けるでしょう。分散型臨床試験は今に始まったことではありませんが、パンデミック時にますます普及し、COVID-19以降のニューノーマルの一部としてさらに一般的になっていくと思われます。

バーチャル・トライアルのリモートモニタリングは、参加者に大きな柔軟性を与え、日常生活に合わせた試験参加を支援します。また、参加者は試験実施施設で不必要なリスクにさらされないという安心感を得ることができます。これはパンデミック時に非常に重要であったことは明らかです。バーチャルによる参加は、多様性を高め、より多くの人々を取り込むことを可能にし、患者の募集、参加、維持を強化します。もちろん、完全な分散型モデルがすべての臨床試験に適しているわけではありませんが、多くの場合、ハイブリッド型のオプションが有効といえます。今後、業界は従来の臨床開発モデル以外のあらゆる選択肢をより積極的に検討するようになるでしょう。

この1年半は私たち全員にとって様々な意味で困難なものでしたが、この危機から生まれたポジティブな要素を見過ごすわけにはいきません。今後、私たちは、学んだ教訓、築いた関係、開発された技術革新のすべてを忘れないようにすることが重要です。

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