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バーチャルトライアルを実現するには?~国内におけるバーチャルトライアル実現に向けて~

2019-10-25 - < 1 min read
バーチャルトライアルを実現するには?~国内におけるバーチャルトライアル実現に向けて~

By Japan Marketing

今回のブログでは、先日9月27日(金)にPRAヘルスサイエンス社との共催セミナー「バーチャルトライアルを実現するには? 〜国内におけるバーチャルトライアル実現に向けて〜」の様子や内容についてご紹介いたします。セミナー開催概要についてはこちらをご参照ください。

注目が集まるバーチャルトライアル

米国ではノバルティスファーマ社が今後3年間でバーチャル治験モデルを用いた試験の実施を10本目指すと発表していたり、IQVIA社がすでに在宅治験を4件受注するなど、ここ数年でそのキーワードを聞くことが増えた「バーチャルトライアル(バーチャル治験)」ですが、日本国内における実績はまだこれからです。在宅・遠隔医療などにおける規制や実施運用面での整備が十分でないことも背景にありますが「今後数年の間には実現される可能性は低くはない。国内での実現に向けた一歩を踏み出すべく、今一度現状を考える機会を設けて歩みを進めてくれる方と知り合うきっかけを作れないか?」そんな思いから今回のセミナーを企画することになりました。

バーチャルトライアルの現状

最初にPRAヘルスサイエンスの高田様にご登壇いただき、「日本でバーチャルトライアルを実施するために考慮すべきこと」と題して、バーチャルトライアルの必要性やメリット・デメリット、検討事項、課題についてお話いただきました。

バーチャルトライアルと一口に言っても、部分的バーチャルや100%バーチャルなど色々なケースがあり、試験の種類や特性によって調整が必要であることも言及されました。

このセッションにおいて特に興味深かったのは、バーチャルトライアルを実施した際のシステムの構成例やデータフローの例が示されたことです。どこからどんなデータが入って、それがどう流れていくのか、といった通常の治験ではすでによく理解している流れであってもバーチャルトライアルとなるとデータエントリポイントが変わってくるため、その図解はとても参考になりました。参加者の方々スライドをしっかり見ながらメモを取られている様子も見られました。

高田様は「実施に必要なパーツ(テクノロジー)は揃っている」が、それを実施する「インフラ(体制)が整っていない」と現状への見解を示されました。つまり、検査のための検体の採取や回収、処方薬の受け取りなど、治験を支える周辺環境の整備はこれからということです。

バーチャルトライアルの実現によって起こる変化

このセッションの最後に話された「100%バーチャルが実際された場合の原資料」についても、今後の臨床試験のあり方を示している、興味深い内容でした。

バーチャルトライアルでは、被験者の参加(同意取得)からデータ収集(被験者日誌)などあらゆるデータが電子的に取得できることになるためSDVは不要になり、コーディネーターに求められることや業務内容にも変化が起こってくるということです。同時に、EDCは”Data Capture”ではなく”Data Repository”としての役割へ変化してくるとのこと。実際に弊社が米国でサポートしている100%バーチャルで実施されたAdaptable試験では、組み入れから実施までデータはウェブポータルサイトから入力され、eSourceデータのみの試験となっています。eSourceデータの活用は、日本でも進むと考えられ、従来の業務やツールの役割もそれに伴って変化していくと考えられます。

支えるテクノロジー

2つ目のセッションではバーチャルトライアルを支えるテクノロジーとして、弊社から、Rave eCOA/ePRORave eConsentRave Wearable Sensorsを紹介しました。バーチャルトライアルを検討した場合、電子での同意取得が重要なスコープになるため、当日実施したアンケートでは、興味のあるプロダクトとしてeConsentが最もポイントが高い結果となりました。

また、Medidata Rave eCOA/ePROは、医師従事者の評価(ClinRO)に加えて介護者による(ObsRO)もサポートしており、自身での入力が困難であったり、来院が難しい疾患領域の方にも使っていただけるよう、より柔軟な機能を兼ね備えていることも合わせてご紹介し、デモンストレーションもご好評をいただきました。

メディデータでは「トライアルダイヤル」という考え方を提案しています。第1セッションにもあった、試験に合わせて部分的バーチャルを検討する場合に、ダイヤルで調整するイメージでリアルとバーチャルを組み合わせて検討することができます。

バーチャルかリアルかということだけにとらわれず、より患者の方にとって参加しやすく、負担の少ない方法を見つけていくため、これらのソリューションを通して今後の治験を考えるきっかけになれば、と思います。

当日のセミナー動画はこちらからご覧いただけます。

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