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外部対照群の仕組み | MIT Technology Review & Medidata Solutions

2021-08-03 - < 1 min read
外部対照群の仕組み | MIT Technology Review & Medidata Solutions

外部対照群の仕組み

この記事はMIT Technology Reviewの協力によって書かれています。

外部対照群を構築するために、研究者は過去の臨床試験のデータベースを利用して治療群の患者に近い対照被験者を探すことになります。データベースに登録されている被験者の情報から、研究者は年齢、性別、体重、疾患の種類、配偶者の有無などの関連する基準を用いて被験者を照合することができます。

メディデータはAIを使って自社のデータベースを掘り下げ、特定の症状に対する治療法の過去の臨床試験で対照群となった患者を見つけ出し、自社独自の外部対照群を作成します。メディデータの Acorn AI 製品担当シニア・バイスプレジデント Arnaub Chatterjee は、次のように述べています。「当社はこれらの過去の患者を慎重に選択し、現在の実験群と過去の試験データを照合することができます。試験と患者は、試験のエンドポイントや、試験開始時や途中で収集したデータの種類など、試験デザインのその他の面で一致したものとなっています。」

メディデータのAcorn AI部門データサイエンス担当バイスプレジデントRuthie Daviは、外部対照群を作成する際、「理想的な無作為化比較試験を模倣するために可能な限りのことをすべて行います。最初のステップとして、がんの種類、疾患の主な特徴とその進行度、患者が初めて治療を受けるかどうかなどの治験の主要な適格基準を用いて、対照群候補のデータベースを検索します。これは、通常の臨床試験で対照患者を選択するのと基本的に同じプロセスですが、適格性の判断には、現在の臨床試験ではなく過去の臨床試験の開始時に記録されたデータが使用されます。私たちは過去の患者の中から、もし現在存在していたら臨床試験の対象になるであろう患者を見つけるのです。このような基本的なスクリーニングが完了したのち、統計的なマッチングと重み付けの手法を用いて、対照群となる可能性のある患者と試験群の患者をマッチングさせます。」

外部対照群によって管理を必要とする患者の数を減らすことで、臨床試験のコストを削減することができます。また、外部対照群を利用することで、潜在的な参加者にとって試験がより魅力的なものとなり患者募集が促進される可能性もあります。バイオテクノロジー企業Celsion社のチーフメディカルオフィサーであるNicholas Borys氏は、がん患者1人あたり、臨床試験への登録とプロトコル全体のフォローに数万ドルの費用がかかると見積もっています。また、「患者は全員が治療を受けられることになるので、より興味を持つかもしれません」とBorysは述べています。

Celsion社は、後期の卵巣がん患者を対象とした新しい化合物を評価するために外部対照群を採用しました。この治験薬はテストグループでは効果があるように見えましたが、その時点では試験には対照群がありませんでしたが、メディデータの Acorn AI によって試験群の特性とほぼ完全に一致する外部対照群を作成し、2 群の比較では第 2 相試験を正当化するのに十分な結果が得られました。Borys 氏は「当社の薬剤に効果があることを実証できました。」と語ります。

 

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メディデータとMIT Technology Reviewによるホワイトペーパー [Clinical Trials are Better, Faster, Cheaper with Big Data], にて臨床試験における外部対照群のメリットをご覧ください。

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