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ePRO導入における本当の課題とは?

2019-11-29 - < 1 min read
ePRO導入における本当の課題とは?

By Masayo Namba@ Professional Services

東京も急に気温が下がり始め、2019年も残すところ1カ月となりました。2019年は振り返るとePROの導入が本格的に始まったと言える年でもありました。10月3日に開催された3Hメディソリューション株式会社とのセミナーの内容を振り返りつつ、改めてePRO導入の課題とどのような対応がポイントになるか、整理してみたいと思います。

今年の6月に開催したNEXT 2019 TokyoのePROブースで実施したアンケート結果では、ePROを導入する際の課題として、以下の3点が多く指摘されました。

  1. 導入リードタイム
  2. インスツルメンツ版権・承認
  3. デバイス手配・管理

各課題に対しては、ePROを提供しているベンダーや各スポンサーが様々な手順を使用しています。メディデータとしては、従来よりそれぞれの課題にお応えした特長をもつePROソリューションを提供しております。加えてこの度、セミナーでもお話ししたように、3Hメディソリューションとの協業により、より効果的なソリューションを提供できるようになりましたので、改めて簡単にご紹介いたします。

1.導入リードタイム

メディデータが提供しているePROはRave EDCでeCRFを作成する場合と同じ手順で作成することが可能であり、一度作成したePRO Formは簡単に他の試験でも再利用することができます。通常のEDC用のeCRFはePRO Formと並行して実装できることから、それぞれを独立させてスケジュールを組むことは不要となり、運用開始までの時間を短縮できます。また、メディデータが用意しているeCOAライブラリーを活用することにより既に作成されているePRO Formを簡単にRaveにアップロードすることができ、更なる時間短縮が期待されます。

2.インスツルメンツ版権・承認

インスツルメンツの版権管理はePRO開発における1つの大きなマイルストーンとなります。ライセンサーからの返答が遅いと運用開始までの時間に大きな影響が生じ、これにより開発スケジュールに大きな変更を余儀なくされてしまうことがあります。この点を解消する為に、メディデータが、ライセンスサービスとマイグレーションサービスをワンストップで提供する窓口となって対応することで、煩雑な業務を定型化し、効率よく推進することができます。

3.デバイス手配・管理

メディデータのePROは専用デバイスではなく、iOSとAndroidを搭載したスマートフォンやタブレット端末で利用できます。患者自身のデバイスを使用してデータを収集することも可能ですが、デバイスを試験参加者や施設に貸与して運用する試験ではデバイス管理が必須となります。メディデータはグローバルベンダーと協力してデバイスを手配しており、全世界にデバイスを供給できる体制があります。多国籍で運用される試験においては、プロセスの共通化という観点からグローバルベンダーの活用にメリットがあります。しかし、国外のグローバルベンダーから日本国内へ配送が必要な場合には、機器の配送や故障に伴う交換に時間がかかることがあり、より細かな時間の管理が難しくなる可能性があります。この問題を解消するために、メディデータは3Hメディソリューションと協業し、国内でデバイスを手配する体制を整備しました。これにより、配送(再配送)の遅延による試験へのマイナスの影響を軽減することが可能です。

上記3つ点以外にも今後、ePRO導入の課題として挙げられるのは、当日会場からの質問にもあったように、ePRO導入のサポート体制や人材の強化があると思います。CRCがサポート可能な治験でのePROの活用は順調に進んでいますが、PMSや臨床研究などの医師へのサポート体制が少ない調査や研究の場合には、患者へのePROの使い方の説明などに時間を十分取ることができずにePROでのデータ収集を断念し、紙PROで運用するケースが見られます。このような医療機関側での課題を解消するためのソリューションが早急に必要だと考えます。

また、3Hメディソリューションの発表にありましたが、iOSやAndroid端末を使用したことがない高齢の患者によるePRO使用も課題として挙げられます。例えば「iPhoneに興味はあるが現在使用しているのはシニア向けスマホ」という場合には、iPhoneの電源を入れるところからの説明をしなくてはなりませんが、医療機関で十分な説明時間を取ることは前述のように不可能です。患者自身が手厚いサポートがなくともePROを使用できるようにするための資料や映像などを用いたソリューションも検討する必要があると思います。

2020年にかけても増々ePROの導入が増えてくる中、業界全体としても経験値が充実してくるものと考えられます。ぜひ弊社へも課題などはご相談いただき、臨床開発・研究のテクノロジーを活用した新しいアプローチを一緒に創っていけると幸いです。

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