グローバル臨床試験をさらなる成功へと導くためのカギ

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2026-01-29
グローバル臨床試験をさらなる成功へと導くためのカギ

ライフサイエンス業界において、新薬開発のスピードとコスト、そしてデータの信頼性の確保は常に最大の課題です。近年、グローバル治験(国際共同治験)が主流となる中で、日本市場は「コストが高い」「スピードが遅い」といった過去の固定観念で語られることも少なくありませんでした。

これに関して、1つの注目すべきデータが示されています。一般社団法人日本CRO協会(Japan CRO Associatetion)がメディデータと共同で発表した最新レポート「Clinical trial industry in Japan」は、蓄積された膨大なヒストリカルデータに基づき、その認識を覆す日本の真の価値を明らかにしています。

今回は、このレポートの要点を踏まえてこれからの臨床試験に求められる姿を考察します。

 

レポートから見る3つの特徴

本レポートでは、メディデータがこれまでに蓄積してきた治験データ(世界80カ国、2,300以上のヒストリカルデータ)を分析し、日本の臨床試験のパフォーマンスを客観的に評価しています。その中でも特に注目すべきすべきは下記の3点です。

 

  • 圧倒的なデータ品質の高さ:日本の「データ修正率」は世界的に見ても極めて低く、最初から正確なデータが入力されています。
  • 迅速なデータ入力:来院からEDC入力までのタイムラグが短いため、円滑なモニタリングやデータレビューが可能です。
  • 正確なスクリーニング:患者の選択・除外基準の遵守が徹底されており、スクリーニングに関する費用やプロトコル逸脱が少なくなります。

 

現在、ライフサイエンス業界では分散型臨床試験(DCT)やリアルワールドデータの活用が進んでいますが、その根幹にある課題は常に「データの信頼性」です。データの品質はクエリへの影響をもたらし、結果として開発期間の延長とコスト増を招きます。レポートのデータが示すクエリ修正タイムの速さは日本の「修正の手間のない品質の高いデータを作る」という姿勢とも捉えることができます。現代のスピード感が求められる開発環境において、目に見えないコストを削減する大きなアドバンテージとなっています。

 

日本における臨床試験の正確性と品質の高さ

日本での臨床試験における大きな特徴は、医療機関の正確かつ迅速な試験運用と規制遵守、そしてその品質の高さにあります。本レポートでは、日本のクエリサイクルタイム(クエリ発生からクローズまでの時間)が非常に短く、実施施設のスタッフ(治験責任医師、治験コーディネーター等)によるデータ入力とその管理への意識の高さが示されています。

これは単なるスピードの問題ではなく、日本の国民性ともいえる規律や規範を重んじる姿勢をベースとした「プロトコル遵守」に対する厳格な土壌が、臨床試験の品質を担保していることを示しているともいえるのではないでしょうか。

グローバルな基準で見たとき、日本は「データの正確性」と「運用の信頼性」において、世界で最もリスクの低い国の一つと考えることができます。この信頼性こそが、データの品質を左右し、最終的な規制当局への承認申請をスムーズにする強力な武器となります。

 

世界基準のプラットフォームと透明性の高い予算管理によるグローバル試験成功の促進

一方で、日本がその高い品質を維持しながら、さらにグローバル治験のハブとして機能するためには、次なるステップが必要であると考えています。それは、各機能が統合された部門間のデータラグやデータロスの障壁なくシームレスに利用できる「プラットフォーム」と「予算管理の透明化」です。

 

グローバルで共通化されたプラットフォームの必要性

周知の事実ではありますが、国を跨ぐ治験ではグローバルで共通して使えるプラットフォームが不可欠です。グローバルで最も使われ評価されているRave EDCは20以上の言語設定が可能で、現在臨床試験が行われている主要各国で使われています。

世界中のどこでも同じ「型」で実施でき、同水準を保ったデータの入力・管理できる体制があってこそ、グローバル治験の成功に近づきます。そこに日本の「品質の高いデータ」の強みが加わることでアジア圏における試験のスムーズな進行を後押しします。

 

透明性の高い明確な予算管理

どの国で試験を行うにせよ、スポンサーにとっては透明性の高い予算算定・管理が極めて重要です。日本での臨床試験は独自の算定ポイント表による予算算定・管理が前提となっており、「高コスト」というイメージが先行しがちですが、この点においても「グローバルスタンダード」を目指す動きが近年活発化してきています。

治験費用算定においては、さらなる適性化と透明化を実現していくためにFMV(フェアマーケットバリュー)に基づいたベンチマーク型コスト算定の日本への導入が急がれています。メディデータではRaveのソリューションの一環として治験実施計画書や契約書に基づく費用算定をもとにベンチマークを設定し、適正かつ的確な予算管理を行う機能により、その実現をサポートしています。

 

Rave Grants Manager

Rave Grants Managerは、臨床試験における施設への研究費支払いの最適化プロセスを管理します。このソリューションは、スポンサーやCROに対して、データに基づいた包括的な方法を提供し、施設への支払い予算を迅速かつ正確に作成し、施設との予算交渉を効率的に行うことを可能にします。

ホワイトペーパー「より良いデータで、より良い意思決定を」

詳細はこちらのページをご覧ください

 

今回のレポートで示されたように、日本での臨床試験はデータの正確性、質の高さは明らかです。また、グローバルにおいて最も選ばれているRave EDCでの試験実施により、グローバルで統一化され、1つのプラットフォームで管理された臨床試験を実施できるメリットに加え、さらに透明性の高い予算管理があわさることで、より一層日本での臨床試験実施が価値を発揮していくと考えています。

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